回文ワンダーランド

最近、なぜか回文にハマっている。調べてみると、回文は平安時代から存在しているらしい。子どもの頃、回文や逆さ言葉で遊んだ覚えがある人も多いのではないだろうか。ただ、その頃は一時的なブームで、すぐに他の遊びに夢中になっていた気がする。

印象に残っている回文の一つに、コピーライターの土屋耕一さんが作った「軽い機敏な子猫何匹いるか」がある。デザイン誌で和田誠さんが紹介していて、強く記憶に残ったものだ。今でも鮮明に覚えている。この雑誌は、学生時代に古本屋で買った一冊で、横尾忠則さんが表紙を手掛けていた。

回文に著作権はあるのか？

「竹藪焼けた」のように短く、思想や感情を創作的に表していない回文には著作権は発生しないらしい。一定の長さがあり、創作物としての条件を満たす必要があるという。これは、音楽の歌詞に著作権がある一方、タイトルにはないのと同じ考え方だ。長い回文は創作性があり、すごいと思うけれど、個人的には短くて覚えやすいものの方がキャッチーで好きだ。
写真のTシャツを着た人物は生成AIだが、イラストは自作のものを合成している。回文には著作権はないが、イラストには著作権があるので、使用する場合は注意してほしい。

回文作りの楽しみ

自分で回文を発見する楽しみを損ないたくないので、ネットでの検索は避けている。「これもある、あれもある」と見つけてしまうと、途端にやる気がなくなってしまうからだ。回文は古くから多くの人が作ってきたものなので、同じものができるのは仕方ないことだと思う。

とはいえ、ただ思いつくまま書き出すのも限界がある。そこで、エクセルの式を使って日本語のカナ文字を逆順に並べる仕組みを作ってみた。辞書や言葉のデータを入力し、回文になるものを探していく方法だ。
ちなみに、この逆順に並べる式はネットで見つけたものだ。=CONCAT(MID(D3,SEQUENCE(1,LEN(D3),LEN(D3),-1),1)) 使う場合はセル番号を変えること。
MacOSのNumbersでは配列関数がなかったので、作れなかった。
エクセルがなくてもChatGPTで簡単にWebアプリを作ってもらうことができた。「日本語のカナ文字を入力し、それを逆順に並べるJavascriptとCSSでWebアプリを作ってください」とプロンプトを入力すれば、動くものが生成される。ただ、現状は一つの単語しか入力できないので、改良して大量の回文をテキストやCSVで吐き出せるようにすれば、もっと実用的になるだろう。

生成AIに回文を作らせた結果…

試しに生成AIに回文を作らせようとしたが、これが全くうまくいかなかった。回文に関する知識を披露してくれるのはいいのだが、肝心の回文が成立していない。「あたしさたあ」「かれしかかしれか」など、まったく意味を成さないものばかりだ。ChatGPTもGeminiも同様で、まともな回文を作るにはまだ時間がかかりそうだ。

【追記 2025/9】ChatGPT 5が出たので、試してみた。古典的な回文を出してきたり、回文が成立していなかったり、まだまだと言う感じかな。マーカーの文が不成立。

シンプルでわかりやすい回文
しんぶんし（新聞紙）
たけやぶやけた（竹やぶ焼けた）
よるもねむろよ（夜も眠ろよ）
少しユーモラスな回文
かっぱなっぱか（かっぱ → 菜っ葉 → かっぱ）
いかたべたかい（イカ食べたかい？）
ねこのこね（猫の子ね）
オリジナルでちょっと不思議系
さるのるさ（猿、乗るさ）
まめくれくめま（豆くれ → 食め → まあ）
くまなくまく（隈なく巻く）

マイルールの設定

通常、回文では清音と濁音、直音と拗音の区別はしないが、あえて区別することにした。日本語の文としては少し不自然でも、絵と組み合わせると違和感が減る場合がある。ルールとしては、短くて覚えやすく、面白いものを目指している。人名や地名、駅名はOKだが、会社名や商品名、ブランド名、公序良俗に反するものはNGとした。

これからも自分のルールで、楽しみながら回文を作り続けたいと思う。【追記 2025/9】やっぱり続かなかった。😢

回文+オリジナルイラストを商品化しました。こちらはZazzle日本語サイトへのリンクです。

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