脱ハンコでも判子は嫌いにならないで

脱ハンコと言うけれど

最近はコロナ禍の影響で、「脱ハンコ」が叫ばれるようになりました。
在宅勤務なのにハンコを押すためだけに出社するのはおかしいという。
であれば手書きの署名も同じことで、結局は紙が問題のようです。

無駄なハンコ習慣はやめればいい。でもハンコ文化は残って欲しい。認印のような既成のタイプフェースを使った印章ではなく、手彫りのオリジナルの印章に価値を見出して欲しい。

本朝画家落款印譜

と、こんなことを書くのは、「本朝画家落款印譜」という明治に出版された落款、印章、花押、署名の一大コレクションを見かけたからです。タイトルに画家とありますが、著名な書家、僧、武家など幅広く取り上げてあります。
英一蝶から池大雅、頼山陽、新井白石、葛飾北斎、尾形光琳、本阿弥光悦、豊臣秀吉、芭蕉、俵屋宗達、伊藤若冲、土佐派、狩野派の絵師等の名前が見られます。

落款とは書画が完成したとき、作者が署名・押印すること。
落款には主に篆書が使用されていますが、篆書にも金文・古文・大篆・小篆・印篆などがあります。

花押(かおう)とは署名の代わりに使用される記号・符号のこと。時代とともに署名の下に書かれたり、木に彫って印章のように使用されたようです。
徳川光圀は五岳真形図(ごがくしんけいず※)の北岳恒山を花押にしているのは興味深いです。北岳恒山は道教の五岳の一つで、この真形図を帯びる人は龍神が守護し、様々な難を免れると言われています。
※(”ごがくしんぎょうず”と書かれているものもありますが、真形は本当の姿と言う意味で、他の文献にも、各骨真形図(かくこつしんけいず)、真形花譜(しんけいかふ)、天文現象図・月輪大陰真形 (てんもんげんしょうず・がちりんだいいんしんけい )、諸星真形譜(しょせいしんけいふ)など ”しんぎょう”と書かれたものは一つもありません。)

このコレクションで少しでも印章の多彩さ、奥深さを見出していただければ幸いです。

データについて

ギャラリーの画像は国立国会図書館デジタルコレクションのパブリックドメインのデータを使用しています。

元のデータは白黒ですが、落款、印章は朱色に、その他は黒色にし、複写時の傾きの修正、ごみ取り、囲み枠を統一しました。

落款、印章の良さを広めるために

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