文字絵コレクション

「文字絵」とは、漢字やかなを巧みに組み合わせて描かれた絵のことです。誰もが知る「へのへのもへじ」が有名ですね。これは、文字を単なる情報伝達の手段としてではなく、遊び心あふれる文化です。たとえば、市井の人々や動物など、さまざまなモチーフが文字で描かれ、見る者を喜ばせました。
文字絵は、江戸時代の庶民の間で大変人気があり、当時の娯楽やコミュニケーションの一環として楽しまれていました。文字そのものが美術作品としての役割を果たし、読み書きの技術が高まる中で、文字に対する意識が深化した時代の表現です。江戸時代の人々の創造性や遊び心が詰まった文字絵は、現代でも見る者に新鮮な驚きと喜びを与えます。

出典:稀書複製会 編『新文字ゑつくし』,米山堂,昭和5. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1189869
(参照 2024-09-26)を基に着彩加工・トリミング使用しています。
出典:[文字絵、猿と面](東京都立中央図書館)

今回ご紹介する文字絵には変体かななどが使われていたり、文字の順番があちこちに配置されたりしていますので、分かりやすくするため文字に色をつけ、番号を振っています。
古文書解読アプリを使っても判別できない文字は??としています。


新文字ゑつくしは、江戸市井の人々や風俗を文字絵で描いています。街頭の人物や著名商店などが収められています。
出典:稀書複製会 編『新文字ゑつくし』,米山堂,昭和5. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1189869 (参照 2024-09-26)を基にデータを加工・使用しています。
文字の知画(もんじのちえ)は十返舎一九 (江戸時代後期の戯作者、絵師)作・画で、江戸の様々な人々を軽妙な文章と文字絵で描いています。
出典:十返舎一九 作・画『文字の知画』,文化4 [1807] 序. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2533807 (参照 2023-08-29)を加工・使用しています。
文字ゑつくしは、主に江戸時代の物売りや大道芸を文字絵で描いています。
出典:文字ゑつくし  (東京都立中央図書館)https://archive.library.metro.tokyo.lg.jp/da/detail?tilcod=0000000005-00161328 を基にデータを加工・使用しています。
文字絵指南は様々な絵を描くための手引きです。表紙の署名は字形画譜、明治13,20,22年の出版です。
出典:佐藤茂佐 画『文字絵指南』,天野重助,明20.10. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/851865 (参照 2024-12-22)
文字廼戯画 : 奇妙図彙(もじのぎが:きみょうずい)は山東京伝の作であるが、こちらは許諾が必要なため掲載できないので、下記から閲覧してください。
井上吉次郎 編『文字廼戯画 : 奇妙図彙』,井上吉次郎,明17.8. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/851868 (参照 2024-12-26)

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