鎮宅七十二霊符

鎮宅霊符神:天下無比福寿必得(金華山人編著)の霊符を紹介します。
信仰心はまるでありませんが、図像として面白いので取り上げました。
下記の図は様々な霊符です。

霊符とは古代中国発祥のお守り、お札のことです。鎮宅とは家内の安全を守ることです。
今でも鎮宅七十二霊符は星田妙見宮秩父神社などでも授与されているそうです。

書籍には鎮宅七十二霊符の起源についての記述があり、参考のために注釈や読点をつけたり、旧字を新字に、またカナをかなにして、読みやすくしました。カッコ内は(読み/意味)。

出典は国立国会図書館デジタルコレクションのパブリックドメインで、データを加工・使用しています。

鎮宅霊符の法

そもそも霊符の法はもと仙教(道教)にて、漢の孝文皇帝の世に、弘農(コウノウ)県に劉進平(リュウシンペイ)という者あって、霊符を四隣(シリン/となり近所)の衆民に施して、疾苦を救い貧窮を賑わし( ほどこして豊かにする)、その徳日々に高く、ここにおいて皇帝自ら劉進平よりその法を相伝を受け給いて、すなわち勅して世に広く行わせらる。じらい四海静寧(シカイセイネイ/世の中が治まって平和であること)に治り万民に至るまでも、富み栄えたる事蹟あり。実に思議(思いはかること)すべからざる霊妙秘密の霊法なり。その他の来歴は序をおいて録(シル)すべし。

我が朝に伝来の事蹟

我が朝、推古天皇の御宇(ギョウ/天子の治世の期間)(三十三代)に当たり百済国定居元辛未年(クダラコク テイキョ ゲンシン ビトシ)に聖明王(ショウメイオウ)第三王子琳聖(リンショウ)太子が、我が朝に渡来し給いて、この法をもっぱら弘通(グヅウ/教えを広めること)し給う。その後は神儒仏(神道・儒教・仏教)の三家共に執行(シュギョウ/政務・事務を執り行うこと)なすと、旧記(古い記録)に見えたり。かの琳聖太子の渡来の地は、肥後国八代(ヤツシロ)群白木山神宮寺これなり。

霊符神を日本に始めて祭る
孝文帝霊符の霊験を尊信の理由

肥後国八代群白木山神宮寺に鎮座します、霊符の尊像は妙見菩薩を安置すという。これをもって我が国の始祭と称す。むかし漢の孝文皇帝、弘農県の堺に御幸(ミユキ/天子の外出)し給い、ふと三愚の民宅を認めあそばざるに、かえって富豪の状況在るをもって大いに怪しみ、その宅主を呼び召され問い給う。かの者答えて申すに姓は劉、名は進平という者なり。往昔(ソノカミ/過ぎ去った昔)我が家は災禍打ち続く甚だしかりしか。何方(イズカタ)よりとも知らず書生二人来たりて、七十二符を伝授す。すなわち畏敬して受けてこのかた、この法を修する十年にして大富貴となり二十年にして子孫繁昌す。三十年にして必ず白衣の天子宅舎に入る事あらんと言いて、門を出で去ること約(オヨソ)五十歩にて消失せぬ。ただ白気(ハッキ/白い気体)の一道天に昇るのみなり。その験(シルシ)は一々これを見るを得たるも、未だ白衣の天子を見(マミ)えずと言うここにおいて、孝文皇帝は叡感(エイカン/天子が感心すること)斜めならず(ひととおりでない)、深く霊符の法を信敬あらせられて、その法は天下に伝え施し給うと言う。現代は科学の盛時にあたっては霊験を試さずして、みだりに批評し譏(ソシ)る者をいましむ。実に無比の霊法なることを実験して知るべし。

三愚の地を弁ず

孝文皇帝はかねて宅地相の理に精通あらせらるる故か、劉が家を一見して凶相の地と断定して、往者の艱苦を憐れみ給う意にて御下問ありしと言う。家相につきて三愚の地を凶相となし忌むものなるか、その三愚とは、およそ宅前高くして、後方の低きを一愚と言う○北方に流水ある宅は、これを二愚と言う。○東南方高くして、西北方の平地なるを、三愚の宅と謂うはこれなり。もしかくの如き地はよく注意すべし。

ちなみに言う。現時の拙宅は家相上においては凶相と断ずべきものなるが、予は前述のごとく術を実地研磨をもって、一身の利害を省みる暇(イト)まなく実験せしがおよそ十年間災厄累起にあい、しばしば他に転居を欲せしも事故のために実行する能わず。ここにおいて家相の選択の故人の説も確かめ得しが、ここにまた霊符を祭祀(マツル)るに及びて災禍の忽然消滅し吉祥に転化せし威霊も実に驚嘆するところなり。しかるに神仏を無視して家相を選まざる者が災厄を招くはこれ当然と思うのみ。

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03◉厭除禍害之鬼。(かがいの きを たちのぞく。) 〔解釈〕これは禍いや言い争い、又は人を害し、自ら殺害する凶事起こるときにこの霊符を祀れば惣ち治するものとす。 04◉厭刀兵衰耗鬼。(とうへい すいこうの きを たつ。) 〔解釈〕これは戦場軍陣において打死し又困窮に迫り餓死などしたる悪鬼ありて祟をなすそれを祓いよける時に用いる霊符とす。 05◉厭牛馬六畜死傷鬼。(ぎゅうば ろくちく ししょう きを たつ。) 〔解釈〕これは牛、馬などの家畜が死んで悪霊となって災いを起こす時、この霊符がその祟りを治める。

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