PostScriptで基本となる線の描き方から始めます。
まず水平線を描いてみましょう。
以下のサンプルのコードとコメントとを見比べてください。
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6 %!PS-Adobe-3.0 EPSF-3.0
%%BoundingBox: 0 0 240 240
newpath % パスの初期化
20 120 moveto % 始点へ移動
220 120 lineto % 始点と終点の間にパスを引く
stroke % 線を描画
1行目の%!PS-Adobe-3.0 EPSF-3.0はPostscriptのバージョンがPostscript3、EPS3.0フォーマットを表しています。これがないとAdobe Illustratorでは開くことができません。
2行目の%%BoundingBox: 0 0 240 240はパス全体を囲む領域の指定で、左下の座標が(0,0) 原点で、右上の座標が(240, 240) の正方形を表しています。デフォルトで単位はポイントです。
上記2行はEPSァイルで必須のコメントです。
newpathは新しいパスを開始する時に使用します。
movetoは始点、linetoは終点を指定します。2つの数値はx座標とy座標です。
直線を引く場合は必ず始点が必要です。この時点では線は引かれていますが、まだ描画されていません。
strokeを使って初めて描画されます。
strokeを行うとデータ(座標値)は消費されてなくなります。
この線はデフォルトで線幅1ポイント・色が黒となります。
【オペレータの説明】
newpath | パスを初期化する |
x1 y1 moveto | 始点を(x1,y1)座標値に設定する |
x2 y2 lineto | 線分を(x2,y2)座標値まで追加する |
stroke | パスに沿って線を描画する |
strokeは線幅、色、先端・接続の形状、破線パターン等のパラメータを参照します。 パスを引いている間は参照されません。 strokeで描画が終了すると、newpathが呼び出されて、パスがクリアされます。 なのでstroke後に新たに線分を追加する場合はnewpathは必要ないということです。
今度は垂直線を描いてみましょう。単に座標を変更するだけです。
やってみよう 座標をいろいろ変えて線を描いてみよう
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6 %!PS-Adobe-3.0 EPSF-3.0
%%BoundingBox: 0 0 240 240
newpath % パスの初期化
120 100 moveto % 始点へ移動
120 -100 lineto % 始点と終点の間にパスを引く
stroke % 線を描画
下記から水平線サンプルepsファイルがダウンロードできます。(zipファイル)
ダウンロード サンプルepsファイル
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