歴朝聖賢篆書百体千文は雑体書と言われる種々の書体で千字文を記した、言わば書体見本のような書です。著者は孫枝秀(鳳居)で、日本人による写本です。
雑体書とは漢字書体の名称で装飾文字書体の総称です。主に篆書を基にしたデザインでその数100~120書体あると言われています。
鳥や亀、龍や虎の爪、動物の尾、植物などを装飾に用いているものもあります。
また畳篆系の角かくとしたものもあります。
雑体書は器物や武具、印章、衣服、扁額等に用いられたということです。
以下雑体書の例を紹介します。
秦の始皇帝の御璽 神品百碑-書道宝鑒(着色加工)
仙人書 篆隷文体(縦書きを横向きに加工)
鳥毛篆書屏風 正倉院御物図録第2
大和州益田池碑 弘法大師真蹟全集第11帖
※図は全て国立国会図書館デジタルコレクションより
雑体書についての参考文献・サイト
雑体書の書体意匠の特色について : 『篆隷文体』を例に(PDF)
雑体書の特色について : 『篆隷文体』と『篆大学』を例に(PDF)
オリジナルを見ることは大切なことなので、中国のサイトを紹介します。
ここには32書体掲載してあります。
御製盛京賦は祖先の功績、都市の産物、人々の豊かさを讃える文学作品です。中国の皇帝・乾隆帝が1743年に先祖の墓に参拝するために盛京(瀋陽)を訪れた際に書いた作品で都市をテーマにした大フーガです。
この書物は、乾隆帝が大臣に命じて書物を探し出し、古式に則ってそれぞれの篆書を構成したものです。
https://www.itsfun.com.tw/御製盛京賦/wiki-7224574-4783454
以下ギャラリーの画像は国立公文書館デジタルアーカイブのデータ(パブリックドメイン)を白黒2値化および修正を施し、データから加工したフレームを使用して再構成しています。序文等文章は含めていませんのでオリジナルのデータとは異なっています。
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