

PostScriptで同心円を描きましょう。
繰り返しオペレータを使い、制御変数の値を次々円の半径に入れていくことで、同心円を描きます。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 | %!PS-Adobe-3.0 EPSF-3.0 %%BoundingBox: 0 0 240 240 %%Title:同心円を描く 120 120 translate % 座標の原点を中央に移動 newpath % パスの初期化 0 10 100 { % 0から10づつ半径を増やし100になるまで{ }内を繰り返す /r exch def % 制御変数をr(半径)に入れる 0 0 r 0 360 arc stroke % 円を描画 } for |

次は座標の拡大scaleを使用して円の半径を大きくしていく方法です。
座標を拡大しているので、線幅も大きくなってしまいます。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 | %!PS-Adobe-3.0 EPSF-3.0 %%BoundingBox: 0 0 240 240 %%Title:同心円を描く 120 120 translate % 座標の原点を中央に移動 newpath % パスの初期化 0 1 10 { % 0から1づつ半径を増やし10になるまで{ }内を繰り返す pop % ここでは制御変数を使わないのでスタックから削除 0 0 10 0 360 arc stroke % 円を描画 1.25 1.25 scale % 座標を1.25倍にする } for |

線幅は同じで座標の拡大scaleを使用して円の半径を大きくしていく方法です。
線幅を固定する方法として★のコードを追加しています。
座標変換を説明するのは難しいので、このコードを使えばこうなるというのだけ覚えてもらえればと思います。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 | %!PS-Adobe-3.0 EPSF-3.0 %%BoundingBox: 0 0 240 240 %%Title:同心円を描く 120 120 translate % 座標の原点を中央に移動 /cmtx matrix currentmatrix def % ★カレント座標を保存する newpath % パスの初期化 0 1 10 { % 0から1づつ拡大率を増やし10になるまで{ }内を繰り返す dup scale % 制御変数を複製して座標を拡大する( 1 1 scale 2 2 scale ....) 0 0 10 0 360 arc % 円を引く cmtx setmatrix % ★座標を拡大前の座標に復元 stroke % 円を描画 } for |
【オペレータの説明】
sx sy scale | xおよびy方向に座標を拡大・縮小する。 1 1 scale が等倍、2 1 scaleでx方向に2倍になる。 |
matrix | 6 つの要素を含む恒等行列([1 0 0 1 0 0])を返す。(PostScriptリファレンスマニュアル第3版より) |
変換行列(matrix) currentmatrix | matrix の値をグラフィックス状態のCTM で置換してオペランドスタックにプッシュする。(PostScriptリファレンスマニュアル第3版より) CTM(Current Transformation Matrix; カレント変換行列):ユーザー座標系の座標値をデバイス座標系の値に変換する |
setmatrix | 前のカレント変換行列(CTM)を参照せずに、グラフィックス状態のCTMをmatrix に設定する。(PostScriptリファレンスマニュアル第3版より) |
dup | スタックの一番上にある要素をコピーする 例)1 dup → 1 1 2 dup scale → 2 2 scale |
要素 pop | スタックの1番上の要素を破棄する |
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